従業員の睡眠不足②

従業員の睡眠不足②

◇睡眠負債で高まる労災リスク

 睡眠負債は、慢性的な長時間労働と表裏一体の関係にあります。企業にとっては、従業員の疾病発症率が高まるということは、自社の労災発生リスクが高まることを意味しています。

 万が一、自社の従業員が脳・心臓疾患や精神疾患を発症し、これが長時間労働によるものと主張されることになれば、企業はこの疾患の「業務起因性」や、そもそもの「安全配慮義務」を問われる事態ともなりかねません。

 

◇労働者と企業を守る

「勤務間インターバル制度」

 労働者の睡眠負債への特効薬として、今、期待されているのが「勤務間インターバル制度」(退社から出社まで一定時間を空け、労働者の休息時間を確保する制度)です。

 終業が遅くなった際、始業を後ろ倒しすることで、睡眠を含む休息時間の確保につながります。

 厚生労働省の有識者会議における資料によれば、この「勤務間インターバル制度」をすでに導入している企業および導入検討中の企業はわずか10%程度であり、普及はまだまだこれからですが、企業にとって要注目の制度と言えるのではないでしょうか。

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